ワインセラーを創った男達

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それらWA100点常連組の伝統ローヌに、同品種の象徴的カルトワイン、シヌ・クア・ノン -Sine Qua Non-にも増す高評価。

わけても加州ワイン愛好家の間で確かな認知を受けたローヌ系でしたが、当時取扱っていたインポーターの解散も重なり、2000年半ばより長く蔵出し輸入が途絶えていたものです。

歴代二作目のAG100点シラー同銘柄 “ソノマ・ヒルサイズ”を従えて、新生パックスが日本復帰 ■ 全世界対象歴代二作目・VINOUS100点同銘柄が【7,000円台】 ワインアドヴォケイトを去ったロバート・パーカーの懐刀、アントニオ・ガッローニがステファン・タンザーと電撃合流した現ヴィノス-VINOUS-。

タンザー主宰時代のインターナショナル・ワインセラー -IWC-から通算し、長く実現されずにいたヴィノス＆IWC連合歴代初フルマーク・シラーの座を、コングスガード “ハドソン” 2014が射止めて3年が経ちました。

(R・パーカー／A・ガッローニ／S・タンザー【三者の相関概要】はコングスガードの頁参照 ＞＞) 1万円超と踏んでいた中で同銘柄が7,000円台。

上記品々の1本分価格、同じく年号違いであっていか程でしょう？他銘柄1本分で(確実に)4本以上を買えるこの価格、「見逃すな」と述べるガッローニの言葉通り、至って貴重な機会の筈です。

(私も自費購入) 《パックス》 シラー “ノース・コースト”上級シングルヴィンヤードの融合版ハイブリッドキュヴェ 【銘柄概要】国内復活第一段輸入のPAX シラーは三種。

価格体系上の最上位版 “カステッリナイト・ランチ”は単一畑。

複数畑の融合版である“ノースコースト”と“ソノマ・ヒルサイズ”の違いは「ソノマ産にメンドシーノが加わるか否か」のみであり、造りのコンセプトまでもが大きく変わるわけではない。

又、PAXのメンドシーノ産シラーには旗頭の一つ、単一畑版の“アルダー・スプリングス”があり、それを含むキュヴェがノースコースト。

第一級の造り手、ベッドロックやアルノーロバーツも単一畑シラーの為に御用達とする名高い畑であり、故に各種の価格差はグレードの優劣を量る尺度とも言えない。

【味わい】生命力を感じさせる鮮やかなアロマには、ブラックベリー、ラズベリー、黒オリーブ、ザクロ、黒胡椒、スミレ、グリーンオリーブとニュアンスが多彩。

醸造工程にマセラシオン・カルボニックを経ていることから渋み成分は穏やかであり、鮮明な風味を持ちつつも口中のタッチは軽やか。

この辺りが抽出に過ぎるシラーとは一線を画す洗練性。

単体で楽しめるうえ、カジュアルからフォーマルな場でも楽しませてくれる1本。

【産地概要】産地特性のアドバンテージを持つ太平洋沿岸、ソノマ｜ナパ｜メンドシーノ｜レイクの各カウンティ(群)を含む原産地呼称がノースコースト。

畑が複数のカウンティに及ぶことからノースコーストを冠するわけだが、単一畑銘柄に比べ価格が安くとも、畑のグレードまでもが落ちることはない。

むしろ、異なる産地からの様々な美点が融合する相乗効果を得て、優れたコストパフォーマンスが実現されている。

■ ヴィノス100点のソノマ・ヒルサイズに、メンドシーノきっての銘醸畑アルダースプリングスも加わる構成 ▼以下1〜3はソノマ・ヒルサイズが使う各ヴィンヤード1) グリフィンズ・レア -Griffin's Lair-：ジョー・ドネランとの協業時代(第一次PAX)に愛用した上、パックス・マールが去った後のドネラン(WA95-97点)、投資家とのベンチャー時代ウィンドギャップ(WA92点)でも単一畑銘柄として採用。

現在はベッドロック(WA97点)にアルノー・ロバーツ(RP95点)も上級シングルの為とする。

ソノマでも最も冷涼な一画、ペタルマギャップ地区に所在。

(ソノマコーストも名乗れる)ペタルマギャップAVAの中でもサンパブロ湾に近い立地から、一層と冷たい海風の影響を色濃く受けるクールクライメット・シラーの重要畑。

-------------- 2) ネルセン -Nellessen-：ロシアン・リヴァー・ヴァレーAVA、グリーン・ヴァレーAVA、セバストポル・ヒルズの三地区が重なるエリアに属す。

グリフィンズレア同様に寒流の影響を強く受ける冷涼エリア。

-------------- 3) カステッリ・ナイトランチ -Castelli Knight Ranch-：ソノマ＞ロシアンリヴァー・ヴァレーの中でも比較的に温暖なミドルリーチ地区に所在。

ロキオリ｜レイミー｜ウィリアムズ・セリエムも近い。

(単一畑銘柄参照：こちら＞＞) -------------- 4) アーマー -Armagh-：ウィンドギャップ時代からパックス・マールが愛用する畑。

ソノマでも最も冷涼な一画、ペタルマギャップ地区に所在。

ソノマコーストも名乗れる。

-------------- 5) ホークスビュート -Hawks Butte-：クールクライメット・シラーの名手にしてIPOB生産者でもあるコパン -Copain-が重視する畑。

メンドシーノ群の内陸寄り、比較的温暖なヨークヴィル・ハイランズ地区(AVA)に属すが、標高490mの尾根に位置することから、豊かな日照を得ながらも高海抜ゆえの冷涼な微気候も備える。

-------------- 6) アルダー・スプリングス -Alder Springs-：※ソノマ・ヒルサイズにも入らぬノースコースト・オリジナル※ カリフォルニア・ブル系四大名産地の一つ、メンドシーノ群アンダーソンヴァレー地区(AVA)きっての銘醸畑。

起伏に富む海抜520〜820mの山岳地帯に位置する故に土壌組成に微気候区分も多様。

加えて57haの作付中「85」に及ぶ各区画では、台木、クローン、品種の組み合わせが多岐に亘るなどファインワインにとってのアドバンテージをあまた備える。

収量を低く抑えた果実は、秀逸な酸、ミネラル感、複雑性を併せ持ち、その土地ならではのアイデンティティ描写を可能とさせる。

その質の高い果実を求める先はリース、アルノー・ロバーツ、ケスナー、パッツ＆ホール、エリック・ロス等。

上級生産者の重要なポートフォリオを担う。

【ワイン造り】醸造:100%全房｜熟成:コンクリートタンク＋フレンチオーク旧樽｜瓶詰無濾過・無清澄｜pH3.7 【生産者概要】現ドネランのジョー・ドネラン氏と共同で2000年産を処女作とするPAXを創業 → 2006年に投資家の支援を受けウィンドギャップ-Wind Gap-を立ち上げ → 2008年にジョー・ドネランと袂を分かち → 投資家とのパワーゲームに辟易しウィンドギャップを2018年に退任 → 新生PAXへ専念。

(←今ここ)輸入が途絶えたこの十数年を振り返れば、パックス・マール氏には稀に見る紆余曲折があったものです。

■ パックス概要続き＆沿革につきましては、下部をご参照下さい。

一連の流れにあって、現行PAXの立ち位置を端的に述べれば、初代より慎み深くウィンドギャップよりも華やか。

ワイン造りはあまねくナチュラル。

契約畑には自然界に本来存在しない農薬や肥料の使用を望まず、発酵は天然酵母の自発的活動に委ねられ、各工程における亜硫酸添加は最小限に留めています。

(銘柄によってはSO2無添加) 【品種構成】シラー【原産地呼称】カリフォルニア州＞ノースコースト｜North Coast, California【タイプ】[赤] フルボディ Full【内容量】750ml 【PAX沿革】マスターソムリエを目指していたパックスとパムのマール(マーリー)夫妻が、ディーン＆デルーカのワインバイヤーを経てPAXを創業したのが2000年のこと。

カリフォルニアのポイヤックがナパのオークヴィル、ポムロールがカーネロスのメルロであるならば、二人にとって最も衝撃的な出会いのあったシラーはどこか？夫妻はソノマとメンドシーノを北部ローヌに見立て、ファインシラーの生産に着手する。

少ない元手からジョー・ドネランの資金を得て実現にこぎつけたが、やがて55%の株式を持つドネランとの間に方向性の違いが生じ、自身の名を冠しつつもPAX Wine Cellarsを追われる。

ラテン語で「平和」(PAX)を意味するワイナリー名にそぐわぬ訴訟の時期も過ごした。

(VINOUSには嘗てのPax Wine Cellarsと記載されるも2007年にその名はついえ、夫妻のもとに帰属する“PAX”の現公式商号はPax Mahle Wines)破竹の勢いで人気を増したPAXだけに、周囲が手をこまねく筈もない。

訴訟の間にも投資家のアプローチを受け、そのファンドに乗じ立ち上がった先がウィンドギャップ。

IPOBメンバーでもあったが、手掛けるセパージュは多種彩々。

投資家主導とも伝えられた運営が祟ってか、やがて2018年にウィンドギャップから手を引きPAXへと専念するに至る。